こんばんは、イチローです。
今年に入ってジグの型取りを始めて、ある程度うまく作れるようになってきました。
今までは既製品ばかりを使用してきましたが、最近は自分で考えたものも少しずつ型取りするようになっています。
何も調べずに始めたため最初は失敗ばかりでしたが、その経験からこうすればいいのか、などの気づきも得られました。
今回はその一連の流れをまとめてご紹介していきます。作業中の写真は色々な型のものが混在していますがご了承ください。
目次
形を考えてみよう
ジグを作る際にまず行うことは、どんな形のジグを作るかです。
ジグと言われてパッと頭に浮かぶジグは人それぞれだと思いますが、ジグパラや100均ジグなどのスタンダードな物が多いのではないでしょうか。
それでももちろんいいのですが、せっかく自分で作るのであれば頭の中に浮かんだ物を具現化できたら面白いと思いませんか?
早速やっていきましょう。
まずは適当に書いてみる
妄想は僕も大好きでしょっちゅう頭の中に思い描いていますが、実際にそれを書き出してみるのはどうでしょうか。
書いてみると実際の雰囲気がつかめたり、思っていたのと違っていたりと発見があると思います。
まずは実際に作れる、作れないに関係なく思い浮かんだものを書いてみましょう。
これはうちの奥さんが書いたパンダジグです。
僕の技量ではこれを形にすることはまだできませんが、こんなの作れたらいいなというイメージを持つことはできます。
便利なのは紙粘土
実際に思い描いたものを書き出してみたところで、次はそれを立体的に起こしていきましょう。
その時に便利なのが紙粘土です。夏休みの工作などで使った覚えのある方もいると思いますが、成型が楽でかつ手に入りやすい素材です。
固まってしまった後のやり直しがききませんが、それまでの過程では自由に形を作ることができ、よりイメージを形にできると思います。
僕も実際に紙粘土をこねて形を作り、出来上がりを想像しながら作業をしました。
次の工程で木を削るので、その際にこういったものがあると作業がしやすいです。
木で原型を作ろう
イメージを形にできたら、次はシリコンで型取りをする際の原型を作っていきます。
3Dプリンタで型を作ったりする方もいるようですが、それは初心者からしたらかなりハードルが高いです。
まずはオーソドックスに木を使って型を作っていきます。
木を削って形を整える
一言で木といっても加工用として売られている木材にはたくさんの種類があります。
ホームセンターなどで木を探すとズラッと並んでいて、どれを選んでいいかわからなくなるほどです。
その中でもバルサ材という素材はカッターで切れるくらい加工が簡単なのでおすすめです。
割れやすいなどデメリットもありますが、他の木材と比べるとその扱いやすさは段違いなので、最初はバルサ材で作成を始めましょう。
まずは紙粘土で作った型に倣ってバルサ材に形を下書きし、大まかに周りを削っていきます。
大部分はカッターなどでカットし、細かいところはヤスリで削っていくのがおすすめです。
カッターで加工する際、繊維に沿って切るとスムーズに作業が進みますが、繊維を断つ形で切るとうまく切ることができません。
そういう部分は細かく繊維に沿って切るか、ヤスリで削っていきましょう。100番くらいの粗めの紙やすりで簡単に整えることができます。
形が整ったらヒートン(ネジのついた丸型の金具)を使ってアイの位置決めを行います。
ヒートンは必ず打ち込まないといけないものではないですが、次の工程のコーティングを乾燥させる際に使用したり、ジグ作成時にアイを作る際の目安になったりしますので僕は使用しています。
ジグの動きに関係することなので、イメージして打ち込んでいきましょう。
表面をコーティングする
次は整えたバルサ材をコーティングしていきます。この作業はとても重要なもので、僕は最初にジグを作成した際にこの作業を知らず、そのまま次の工程のシリコンでの型取りに進んでしまいました。
実際に出来上がったものを見て「これは何かで表面を整えないと使い物にならないな」と感じました。
その時出来上がった型がこちらです。
シリコンがバルサ材と密着してしまい、木目や繊維などを巻き込んで一体化してしまいました。それを無理やり剥がした結果、型にバルサ材が残ってしまったり、型が壊れてしまうと言う事態が起こりました。
せっかく作った原型、シリコンともに使い物にならず、非常にもったいない思いをしたのをよく覚えています。
それを防ぐためにバルサ材での原型作成ができたら、ウレタンなどに浸けて表面のコーティングを行っていきます。
ウレタンのビンに入る大きさであれば、そのままドブ浸けをしてしまって大丈夫です。
バルサ材を浸けると気泡が発生しますので、発生が少しおさまるのを待って取り出して乾燥させます。乾燥させる際は、針金などをこういった形に整えてスチールラックなどに引っ掛けておくと楽チンです。
余分なウレタンが垂れてきますので、下には段ボールや新聞紙など汚れても良い対策をしておいてください。僕は寝る前にウレタン浸けをして、寝ている間に乾燥をさせています。
乾燥時間短縮のために乾燥機を使ったこともあるのですが、気泡が抜け切る前に乾燥してしまい、表面がブツブツとした型が出来上がってしまいました。
なるべくなら自然乾燥がおすすめです。
1回つけるだけではコーティングが薄く、トラブルが起こる可能性があるため同じ作業を2、3回繰り返して被膜を厚くしていきます。
ツヤッとした見た目と触り心地になったらコーティング完了です。
シリコンで型取りをしよう
原型ができたらいよいよシリコンでの型取りです。
以前の記事でも紹介した方法で型取りを行って、半面ずつシリコンでの型を取っていきます。自分で作った型で型取りを行うのはなんだか感慨深いものがあります。
既製品のジグは中心のバランスが取れているため型取りもしやすいですが、自分で作ったものはそうでないことも多く、粘土の量を調整したり、原型の向きを縦から横にしてみたりと、色々と工夫をして型取りを行いました。
最初に作った型はコーティングのところでお伝えしたようにシリコンが密着してしまい、表面がボロボロになってしまいましたが、コーティングを行ってからは滑らかな表面を作ることができました。
鋳造しよう
型が完成したらいよいよ鉛を流し込んで鋳造の工程に入ります。
こちらも別の記事で紹介した方法にて型を固定して鉛を流し込んでいきます。
最初に作った表面がボロボロの型や、気泡が入ってしまった型での鋳造ジグはこちらのようになります。
こうなってしまうと加工が大変なのでいかにコーティングが重要かが分かりますね^^;
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はジグを自作する際の手順についてお伝えしました。
実際にやってみて1番重要だと感じたのは原型のコーティング作業でした。綺麗なジグを作るにはやはり基礎が大事、と言うことですね。
ジグの作成にはいくつか工程を踏む必要がありますが、出来上がった時の喜びはひとしおです。さらにそれで魚が釣れると思うとワクワクしますね。
みなさんもぜひ、自分が思い描くジグを形にして釣りを楽しんでみてください。
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